身土不二(しんどふじ)に思うこと

身土不二に思うこと

身土不二(しんどふじ)に思うこと

日本人は戦前まで、穀物中心の食生活を送っていた。それが、戦後復興とともに、脂質・タンパク質中心の「欧米型の食生活」へと急速に変わってきたことはよく知られている。とくに「肉は、即、エネルギー」という感覚もあった。「肉をたくさん食べて、欧米人のように長身で逞しく(女性ならスマートに美しく)なろう!」といった感じだろうか。

しかしながら、私たち日本人の祖先は、卑弥呼の時代(弥生時代)から2,000年あまり、世代交代を繰り返しながら、自分たちの暮らす土地にあった「旬の物」をとる食生活を確立してきていたのだ・・・。
 
日本には古来、『身土不二』(しんどふじ)という言葉がある。これは、「身体と土(環境)とは、一元一体であり、不可分のもの」、要するに「人もまた、環境の産物なり」ということだ。

よって、そこから「人間も、食物のように、土から生まれ、土に返る」ということも言えるのだろう。(ちなみに、神話の中にも、最初の人間は土から作られた、という有名なアダムの話がある)で、この「身土不二」という言葉が意図するものは、「人間は、自分たちが暮らしている土地でとれた季節の物を食しているときが、いちばん健康でいられる」ということ。

このことは、「一里四方」(いちりしほう)の物を食べて暮らせば健康でいられる、と言われてきたこととも通じる。そして、日本人の祖先は、この「身土不二」を、身をもって実践してきたのである。

はたして、戦後の日本人の食生活の変化(欧米化)は、日本人の胃と腸に、どのような影響を与えてきたのだろうか。そこで、ひとつ気になることがある。ここ最近、日本人の間でも(しかも若い人にも)、大腸ガンの増加傾向が目立ってきており、しかも、その原因の一端として「食の欧米化」が挙げられていることだ。

食の欧米化により、摂取される食物の占める割合が、高タンパク、高脂肪ともなると、それまで数千年にわたって日本人のお腹の中に棲みついてきた「腸内細菌」たちにとっては、まさに驚天動地。自分たちの住む環境が大きく激変したようにも映るだろう。

少なくとも、「身土不二」という思想(昔ながらの知恵)から言えば、戦後、肉食や高脂肪食に偏り、さらに加工食品が中心となった食生活スタイルの変化は、徐々に日本人の体質に、好ましからざる異変をもたらしてきたのではないだろうか。

そうした「長年月にわたって祖先が食べていたものとは明らかに違う、これまでとは異質の食べ物の数々」は、日本人の胃や腸にとって、消化・分解しにくく、また吸収しにくいという面もあっただろう。消化を促進させる「酵素」が用意されていない、ということもあっただろう。

「欧米の食品だ」と有り難がって、せっかく食べたり飲んだりしても、消化酵素がなければ、そのまま下痢となって、出てくるしかない。そのことは、牛乳を飲んでも、すぐに下痢をしてしまう日本人が、多く現われたことからもわかるだろう。

もしや、腸はボイコットを、善玉菌はストライキを、そして悪玉菌とよばれるものも、デモをしながら、彼らなりに必死に、宿主である我々に訴えているのかもしれない。「自分の体と土地にあったものを、もっと食べてくれ! さもないと、これ以上は、ここで働くのはやめるからね!」と。

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