善玉菌と悪玉菌の「棲み分け」こそが必要

善玉菌と悪玉菌

善玉菌と悪玉菌の「棲み分け」こそが必要

ご承知のように、小腸は、口から摂取した食物から、「栄養分」を吸収するための臓器である。胃で消化された食物が、身体を構成する各栄養素に分解され、その大部分が小腸で吸収されるというわけである。

小腸の中の、栄養を吸収するための「小腸粘膜」には多くのヒダがあり、そのヒダの表面にはさらに「繊毛(じゅうもう)」とよばれるものがある。これは例えてみると、土壌の養分を吸収する、あの植物の根(繊毛)のようなものだ。そう、小腸の「繊毛」と植物の「繊毛」は、ともに養分を吸収するという意味で、同じような働きをしているのである。まさに、腸というのは、土壌のようなものと言えよう。

さて、この「繊毛」の下部には、「パイエル板」という、免疫細胞を活性化する「エネルギー増産基地」みたいなものが存在する。とくに、小腸の下のほうにある回腸という部分で、この「パイエル板」が多く観察されるようになる。

免疫細胞とはご承知のように、身体に進入するさまざまな病原体や異物に対処してくれるもの。その免疫細胞にエネルギーを与えているものが「パイエル板」というわけだ。これもまた、私たちが健康な生活を送るうえで、とても重要な役割を担っている。ところで、「パイエル板」には、腸内細菌がびっしりと棲み付いている。実は、「パイエル板」が充分にその機能を果たせるかどうかは、そこに付着している「腸内細菌の種類」にも掛かっているのである。

腸内細菌の大部分は小腸下部から大腸にかけて、種類ごとに棲み分けていることがわかっている。その総重量は1〜1.5kg。大人の脳と同じくらいの重さである。通常、小腸下部の辺りには、善玉菌といわれる乳酸菌が分布し、2〜3時間のペースで世代交代を繰り返している。乳酸菌はひじょうにデリケートな細菌で、環境の影響を受けやすく、ほんの少しのストレスでもその数が上下するといわれる。

いっぽう、悪玉菌といわれるウェルシュ菌や大腸菌などは、主に大腸に分布している。その寿命は、一週間位だろうとされる。善玉菌の生存に不利な条件が続くと、悪玉菌の勢力に押され、その生態系(棲み分けている分布状態)が狂ってしまう。そうなると、腸内環境は汚染と腐敗が進み、これが改善されないでいると、しまいには「宿主」もろとも自滅への道を辿ってしまうだろう。

「宿主」とは、そう、彼らをお腹の中に宿している我々「人間」のことだ。しかし、こうした状況は、人間の世界でも無縁のことではない。人類もまた、利潤追求と人類幸福という名のもとに、文明の発展に猛進してきた結果、自分たちが存在している「生存環境」に、大きな「負」の部分、つまり「環境汚染」や「地球温暖化」という事態を招いてしまっている。

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